諏訪湖のまるた舟

最終更新日: 2011年3月28日

  • 所在地 西高木 諏訪湖博物館・赤彦記念館
  • 所有者 下諏訪町
  • 指定 昭和43年3月21日 県・有形民俗文化財

 諏訪湖には刳(くり)舟形式の残存する丸太舟(丸木舟)と矧(はぎ)舟形式のさんぱ舟(板材による構造舟)がある。丸太舟にはさらに大木の丸材を二つ割りにして、その内側を刳りぬいて、「ほて」(舟側)とし、それに舟底をつけた古い様式のものと、大木の入手難から「わのせ」とよぶ板材を、「ほて」の上に乗せて、舟の深さを補った新しい様式のものとの別がある。写真の上段のものが古い様式の丸太舟で、下のものが新しい様式の丸太舟である。

 特に諏訪湖の丸太舟は構造・機能ともに優れていて波に強いことから、昼夜の別なく、悪天候のなかでも漁労ができたので、諏訪湖の西側山麓の花岡・小坂(共に岡谷市)や、北東側の高浜湾沿いの下諏訪町地籍の漁村部で多く使われていた。

 しかし、最近の社会情勢の変化から漁労者の老齢化や、舟材の入手難と、船大工の後継者難などから、丸太舟が急速に減少したため、町としてそのうち最も原型を残す新旧2隻を選んで入手し、長野県の民俗文化財としての指定を受けて保存をしている。

 丸太舟は、古くは欅(ケヤキ)・桂(カツラ)・栗(クリ)などが使われていたが、明治中ごろからは天然のカラマツ材が使われるようになった。船大工は伐(き)り出したその丸材を縦に二つに割って、その内側を断面ガマグチ型に下ぶくれに刳りぬいて、「ほて」とし、舟底板をつける。板は3 枚並べにして中央でつなぎ、合計6枚はぎとする。これを反りのある「ほて」にはり合わせるので、なかなかの技術が必要であり舟大工の腕のみせどころでもあった。

 丸太舟は、「しき」の前後に反りがあり、少しではあるが樋(とよ)形になっているので、操縦がきわめて容易である。舟体が重いため安定性が高く、風負けしないともいわれ、舟の動揺が少ないため乗り沈みが少ない。舟に反りがあるうえに仕事台が高いので視野も広く、網をうつときよく広がり、足元を「ほて」の中に深く入れていることから、体がほうり出される危険が少ない。また寒いとき火鍋(なべ)を持込んで焚(た)き火をして暖をとるが、煙が、「ほて」にこもって温かいなどの利点があった。

諏訪湖のまるた舟

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