専女の欅

最終更新日: 2011年3月28日

  • 所在地 上久保
  • 所有者 諏訪大社
  • 指定 昭和56年 1月26日 町・天然記念物

 この欅(けやき)は、諏訪大社下社秋宮、山王台の北側にある八幡(はちまん)社の道を隔てた西方にあって、通称「おとうめ様」ともいわれる専女(とうめ)社の神木となっている巨木である。

 ニレ科の落葉高木で、胸高幹囲7.1m、樹高31m、根元露出部周囲は11.3mもある。幹は地上約5m付近で二またに分かれて枝を広げ、樹冠の広がりは20m四方にも達し、樹齢約千年といわれている。

 西側幹部は、幅0.7m、高さ5mほどの空洞となっていて人が容易に出入りできる。内部は縦1.9m、横1.3mほどで頭上空洞部も高く、優に10人は入れる程の広さである。

 ケヤキの樹肌は灰色がかった褐色であるが、老木になると隣片(りんぺん)状にはげるのが特徴である。また、巨木には、このケヤキを初め幹が空洞化しているものが多い。長い年月の間に、堅く木化した幹の中心部は風雪などの外的要因によって、芯(しん)腐れを起して空洞化が進み、樹皮内側にある形成層の部分のみが残って巨木を支え風格ある姿を見せている。

 専女社は、このケヤキより10mほど離れた西よりにあり、高さ1m、一辺5m四方のコンクリートで囲まれた土台の上に、秋宮社殿の方向を向いて建っている。祭神は豊受(とようけの)大神(おおかみ)で五穀産出を司(つかさど)る神であろうかと伝えられている。

 ケヤキは「欅」、また「槻(つき)」という呼び方がある。我が国では本州・四国・九州にかけて広く分布している。ケヤケキ木で「顕著な樹」の意味であろうといわれている。太い幹、枝が天に向かって広がっている豪快な枝ぶりは力強さを感じさせる木である。
冬の裸木は、澄んだ天空にくっきりと枝先までも見とれ、春は新芽と同時に淡黄色の花をつけ全体の緑は柔らかく美しい。人々は四季折々の移り変りをこの巨木に見てきたことであろう。

専女の欅

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